環境電子株式会社

生物センサ「メダカのバイオアッセイ」

はじめに

多くの浄水場様では、法の規定、水道設備維持管理指針によって、水槽に原水を通し魚類(金魚が一般的)を飼育し魚類の挙動を観察することで、原水中に毒物などが混入することの監視を行っております。

この監視方法を自動的に行う生物センサシステムが開発され実施されている浄水場様も数多くなってきました。この自動的に監視を行うシステムの多くは魚類の挙動解析方法によって毒物などの遭退時における挙動と給餌時の挙動などを誤認識し誤信号を発信することが多くございました。

このことを踏まえ、当社では小型で毒物混入時の行動パターンの研究がなされた「ヒメダカ」を対象魚として生物センサ「メダカのバイオアッセイ」を開発しました。この生物センサは、「ヒメダカ」の挙動を常時画像解析し、「ヒメダカ」の活性が鈍ったり、死に至ったりした異常を正常状態に対する比率によって段階的に信号を発するものであります。つまり従来の挙動解析方法に比べ誤信号を発信することも少なく、小型魚を生物センサとして使用しているため感度が高く設備全体をコンパクトに低価格でご提供を行うことができます。

生物センサとしてのメダカ

メダカの学名は、Oryzias(オリージス)と言います。生息地は日本、朝鮮半島、中国大陸、台湾および東南アジア一帯で生息しております。自然環境では、水田のような水深が浅く光が行き届く所を好み、日本では8種のメダカが生息していると言われております。

本生物センサで使用するメダカは「ヒメダカ」という養殖メダカを使用します。人工的に飼育されているため遺伝的に均一化されており、特定の毒物に弱点を持たず毒物反応に誤差が少ないので実用的に生物センサとしての運用に適しており、小型魚類であるため急性毒物反応に早く応答し生物センサとしての生物的デバイスとして有効であると結論に至りました。

生物センサとして「ヒメダカ」の毒性反応における行動

魚類による毒性物質混入の監視を行うには、混入物質に遭遇したときの魚類の反応が一定していることとその反応が早いことが必要であります。

毒物例としてシアン化カリュウム濃度10mg/L(ppm)に遭遇した「ヒメダカ」は数十秒後に狂乱、数分後には鼻上げ状態となり、遭遇5分後には仮死状態となり沈んでしまいます。更にシアン化カリュウムの微量濃度1mg/L(ppm)に遭遇した「ヒメダカ」は、外敵に遭遇する際に行動する協調行動(群れで集まる)をとり、静止行動(動きを止める)を行います。この遊泳を止め強調行動を行う動作を「ヒメダカ」は遺伝的に持っており、生態防御反応と言います。

また、フェニトロチオン濃度10~50mg/L(ppm)に遭遇した「ヒメダカ」は5~7分後に死亡しました。このような結果が示す様に、毒物が混入した時の行動は、狂乱、鼻上げ、沈下、協調、逃避、静止、死亡と反応が一定しており、その発動時間も数分と早く生物センサに最適な生物的デバイスと言えます。

生物センサの動作原理

複数匹(15~20)の「ヒメダカ」が遊泳している水槽を上部より、一般的に監視カメラとして使用されているCCDカメラで撮影し、水槽全面を映し出された映像を画像解析することで「ヒメダカ」の活性を画像認識します。

通常は、大半の「ヒメダカ」が活性していると認識されれば正常となります。しかし、設定された一定時間、「ヒメダカ」が遊泳していなと認識した場合は異常として、その動かない魚体数の比率に応じて生物センサは異常信号を段階的に発します。

生物センサの特徴

生物センサは誤動作を発報しません。「ヒメダカ」の活性を監視・解析することで活動量の減少を異常値としているためご発報の抑制が可能となります。

生物センサは短時間で発報します。小型魚類である「ヒメダカ」を使用することで均一的に反応し、全死亡する様な急性毒物に数分で全滅し発報します。

生物センサは微量毒物に反応します。「ヒメダカ」の生態防御反応を解析するため、微量毒物で行動する協調・静止行動(群れで固まる行動)を検知し発報します。

当社の生物センサは、「ヒメダカ」を使用し上部からCCDカメラを撮影するため、縦長ではありますが設置スペースも少なく、CCDカメラ、画像解析装置、監視水槽、異常水保管スペースを1キャビネットで収納しております。従来の生物センサで多く採用されているパソコンでの解析を行っていないため、ソフトのバージョンアップやソフトのクラッシュなどを考慮せずに、長期間動作可能な画像処理装置で解析しているため、万が一の時に対応が迫られるパソコンと異なり安心してご使用になれます。

また、当社の生物センサは数十種類の毒物試験を数百回以上も行っており、毒物反応後に警報を発する動作試験を繰り返し現在も行っております。このことは浄水場様で運用されるにあたり、どの毒物でどのくらいの濃度で「ヒメダカ」が反応し生物センサが検知できるのか運用上必然的に知りたい情報であり、要求としては原水中に混入の可能性がある物質すべてとなると思います。当社では生物センサのパイオニアメーカーとして、日々研究開発を邁進し毒物試験データの収集作業を行っております。この作業を行うことは当社の生物センサを導入頂きました浄水場様に最新の毒物試験データを提供し続けることが、メーカーの使命と考えているからです。数年前に河川表流水にホルムアルデヒドが混入する事故が発生しました。当時 当社生物センサを導入頂きました浄水場様より「ホルムアルデヒドは生物センサで検知できますか?」とのお問合せを数多く頂きました。(当社の生物センサは検知致します。)そのことは給水先に「安心で安全な水」を提供されるお立場として、当然であり給水先からの声もあったかもしれません。当社としましては、単に生物センサを納入するだけではなく、当社保有の毒物試験データの提供をセットでご提供しなければ目的は達成できないと考え現在も日々データ収集と提供を行い続けているのです。

当社の生物センサ「メダカのバイオアッセイ」の性能は、従来品の生物センサとは比較対象が行えず膨大な実験データを将来的にも受領が可能となり長期間安心してご利用頂けます。

社会の一員として当社で社会貢献できることを一歩一歩進めて参ります。

環境電子株式会社 代表取締役 山本隆洋

メダカのバイオアッセイについて▶

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